【社員教育6つの誤解4】
社員教育をした社員が
辞めたら「得」する理由

「戦後最大の経営危機」「コロナ倒産はこれからが本番」といわれている今、経営者にとって経営環境の過酷さは増すばかり。そんな中、衝撃の一報が入った。
「これまで一切封印してきたが、今回初めて、プレミアム合宿を公開することにした」
電話の主は、株式会社武蔵野の小山昇社長。自社を18年連続増収、750社の指導で5社に1社は過去最高益・倒産企業ゼロに導いたあの経営指導のカリスマだ。理由を聞くと…
「コロナ禍で全国の社長が苦しんでいる。見て見ぬふりはできない。大ピンチを大チャンスに変えてほしい。実際、当社も指導企業もとことん社員が明るい。今は、夢と希望しかない」
そんなプレミアム合宿を一冊に凝縮した小山社長の最新刊『門外不出の経営ノート――2泊3日で165万円! プレミアム合宿LIVE講義』がいよいよ発売。日経新聞にも掲載された。
聞けばこのプレミアム合宿。箱根・山のホテル（旧岩崎小彌太男爵別邸跡）で開催され、2泊3日で165万円（税込）だという。誰がそんな高額セミナーを受講するというのか？
しかし、「12名限定」でキャンセル待ちが続いているという。しかも、参加したダントツ社長からは「165万円は安い」という声が出ているとか。一体全体どういうことなのか？
今回は、経営のカリスマに指導を受けたダントツ社長に「嘘のような本当の話」を紹介してもらおう。
（構成・寺田庸二）

今どきの新入社員のレベルは高い

今回は「社員教育6つの誤解」の4回目です。

誤解4：社員教育にお金をかけたのに、辞められたら損だ
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正解......社員教育をした社員が辞めたら、得する！

社員が辞めると、多くの社長は、「社員教育にあれだけお金をかけたのに、辞められたら損」とネガティブにとらえます。

でもこの考えは、大間違いです。

「損をした」のは心情的に損をしたにすぎず、コスト面で考えれば、社員教育をして辞められたら得します。

高い給料を払っている社員が辞め、その代わりに、新人社員を低い給料で迎え入れるので、人件費が大幅ダウンするからです。

しかも今どきの新人社員は、「すでにある程度のITスキルを持っている」ため、レベルが高い。

10年前の会社のレベルが「2」とすると、このとき入社したAさんのレベルは会社と同じでレベル「2」。

業績が上がり、会社のレベルが「4」になると、社員教育を受けていたAさんのレベルも「4」に成長しています。

ところがAさんは、「自由な時間が少ないのは嫌だ」と退社しました。

Aさんに替わって入社したBさんは、入社時点ですでにレベル「4」に対応できる能力があります。

会社は「自社のレベルに合った人材」を採用するので、レベル「4」の会社が採用するのは、レベル「4」の社員になるポテンシャルを秘めています。

結果、低い給料で、レベル「4」に対応できるBさんを雇用できたことになります。

すぐに戦力にならなくても、素養はある。

しっかり2～3年、教育すれば、BさんはAさんと同じ仕事ができます。

給料も地位もそれなりに高い社員が辞めれば、人件費が圧縮できるので損益分岐点も低くなる。

また、ポストが空けば、「次は俺だ、私だ」と社内も活性化する。

5年間教育された社員とまったく教育されていない社員の差は歴然。

当社で鍛えられた社員が他社で大いに活躍していますが、それはそれで立派な社会貢献にもなります。

総合的に考えると、Aさんの退職は決してマイナスではなく、「会社にとって都合がよかった」とプラスにとらえることができます。