フィンランドの首都ヘルシンキにあるIT企業が集積しているオフィスビルフィンランドの首都ヘルシンキにあるIT企業が集積しているオフィスビル Photo by Izuru Kato

 新型コロナウイルスは欧州経済にも深刻な打撃をもたらしている。2019年10~12月期に対する20年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は、主要諸国ですさまじい落ち幅だ(次の値はいずれもマイナス)。

 スペイン22.7%、英国22.1%、フランス18.9%、ポルトガル17.2%、イタリア17.1%。一方で、北欧が受けた“傷”は相対的には小さい。デンマーク9.2%、スウェーデン8.5%、フィンランド5%だ(ちなみに日本は12.2%)。

 理由の一つとして、南欧に比べて北欧は観光や外食、エンターテインメントなどの産業の比率が小さいことが考えられる。ただ、より本質的には、経済のデジタル化、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)が高度に進んでいることと、それを支える社会の仕組みに着目する必要がある。