投資家が成長にカネをつぎ込む環境では、期待に応えられなければひどい仕打ちに遭うかもしれない。中国の電子商取引(Eコマース)関連株はまさにその典型となるリスクがある。新型コロナウイルスを避けようと買い物客がオンラインに殺到した今年、世界の多くの地域と同様に中国でもEコマースが活況を呈している。中国では7月の小売売上高が全体で前年同月比1.1%減となる中でも、オンラインの小売売上高は24.5%増加した。今年に入りEコマース企業の株価は青天井で、市場首位のアリババグループは30%急騰。規模で下回る競合のJDドットコム(京東)やピンドォドォ(PDD)は倍余りに跳ね上がった。だが投資家の間には、業績が伴わないまま資金を投じることに嫌気が差している兆候も見られる。米ナスダック市場に上場しているピンドォドォは先週21日、4-6月期(第2四半期)決算を発表したが、売上高に対する販促費用の比率が下がったことから損失率が改善したにもかかわらず、同社株はその後の2営業日で14%下落した。材料視されたのは期待外れの成長だ。ピンドォドォのオンラインマーケットプレイスの総取引額(GMV)は48%増と目覚ましいものの、1-3月期の99%増に比べ半分以下の伸びにとどまった。