【プレゼン資料作成術】相手の「感情」を揺さぶるパワースライドの作り方Photo: Adobe Stock

パワーポイントでプレゼン資料をつくるのに時間がとられる……。
そんな悩みを抱えているビジネスパーソンが増えています。そこで、ソフトバンク在籍時に、最速で「一発OK」を勝ち取るプレゼン資料をつくるノウハウを磨き上げた前田鎌利さんにまとめていただいたのが、『パワーポイント最速仕事術』(ダイヤモンド社)です。
「パワーポイント最速仕事術」のポイントは2つ。
まず、「優れたスライドの型」を把握することです。見た瞬間に内容が理解できるスライドには、「テキスト」「図形」「グラフ」「画像」「アニメーション」などの「型」があります。その「スライドの型」をゴールにすれば、いちいち「どのようなスライドにしようか?」と悩む必要がありません。次に、その「スライドの型」を最速でつくるパワーポイントの操作法をマスターすることです。パワポには多くの機能がありますが、「スライドの型」をつくるために必要な機能はごくごく限られています。その限られた機能をマスターするだけで、「一発OK」がとれる優れたプレゼン資料があっという間に出来上がるのです。
そして、『パワーポイント最速仕事術』では、「スライドの型」と「その型をつくるためのパワーポイントの操作法」を、ビジュアル満載で紹介しています。本連載では、その一部を抜粋しながら、優れたプレゼン資料を「最速」でつくるノウハウを解説してまいります。

 社外プレゼンでは、画像を「セピア色」にすることで、より相手の感情に訴えるスライドをつくることができます。

 下図のスライドは、「60年前」を想起させることを意図したものですが、カラーの東京タワーでは全く説得力がありません。

【プレゼン資料作成術】相手の「感情」を揺さぶるパワースライドの作り方

 このような場合には、画像を「セピア色」にすることによって、「過去」のイメージや「懐かしい」という感情を喚起するとよいでしょう。手順は次のとおりです。

【手順1】画像を選択したうえで、[図の形式>色]をクリック。表示されるメニューの「色の変更」の「セピア色」を選択すると、画像が「セピア色」に変換される。

【プレゼン資料作成術】相手の「感情」を揺さぶるパワースライドの作り方

 

【手順2】「セピア色」のスライドが完成。

【プレゼン資料作成術】相手の「感情」を揺さぶるパワースライドの作り方

 セピア色の画像は、相手に「なつかしい」気持ちになってもらったり、過去の記憶を探ってもらったりするときに、非常に効果的です。ぜひ、要所で使うようにしてください。きっと、効果を実感されるはずです。

【プレゼン資料作成術】相手の「感情」を揺さぶるパワースライドの作り方
前田鎌利(まえだ・かまり)
1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、光通信に就職。「飛び込み営業」の経験を積む。2000年にジェイフォンに転職して以降、ボーダフォン、ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)と17年にわたり移動体通信事業に従事。営業プレゼンはもちろん、代理店向け営業方針説明会、経営戦略部門において中長期計画の策定、渉外部門にて意見書の作成など幅広く担当する。
2010年にソフトバンクグループの後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され、事業プレゼンで第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして数多くの事業提案を承認されたほか、孫社長が行うプレゼン資料の作成も多数担当した。ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍したのち、2013年12月にソフトバンクを退社。独立後、『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』『プレゼン資料のデザイン図鑑』(ダイヤモンド社)を刊行して、ビジネス・プレゼンの定番書としてベストセラーとなる。
2016年株式会社固を設立。ソフトバンク、ヤフーをはじめとする通信各社、株式会社ベネッセコーポレーションなどの教育関係企業・団体のほか、鉄道事業者、総合商社、自動車メーカー、飲料メーカー、医療研究・開発・製造会社など、多方面にわたり年間200社を超える企業においてプレゼン研修・講演、資料作成、コンサルティングなどを行う。プレゼンテーション協会代表理事、サイバー大学客員講師、情報経営イノベーション専門職大学 客員教授なども務める。