【ジュネーブ(スイス)】シルビー・ブライアンド氏は、答えを求めて中国に降り立った。謎めいた肺炎のうわさが耳に届いてから1カ月近くが過ぎていた。すでに1月下旬だったが、世界保健機関(WHO)は情報を集めるのに四苦八苦していた。  世界感染症リスク対策部門の責任者を務めるブライアンド氏をはじめとするWHO幹部は、感染者急増と中国から得られる情報の乏しさにいら立ち、火急の問題を解決すべく北京に飛んだ。なぜこれほどたやすく新型疾患が広がったのか?  彼らは中国の習近平国家主席に面会した。