2度目の安倍内閣で、子ども貧困はなぜ解消されなかったのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

安倍内閣を検証
子どもの貧困問題を解消できたのか

 8月28日、安倍首相は体調を理由として辞意を表明した。7年8ヵ月にわたる長期政権となった2度目の安倍内閣で、子どもの貧困問題はどのように変化しただろうか。まずは、数値を確認してみよう。

 日本全体の相対的貧困率、子どもの貧困率、一人親世帯の貧困率とも、民主党政権だった時期よりも改善しているのは確かだ。しかし、日本全体の経済状況や政策が反映されている相対的貧困率を見てみると、2000年と同程度、すなわち一連の規制緩和と地方分権改革が本格化する直前と同程度となっている。

 子どもの貧困率と一人親世帯の貧困率は、所得再分配を含む政策の影響を受けやすい。子どもの貧困率を見ると、相対的貧困率と似た傾向を示しているが、変動幅はより大きい。一人親世帯の貧困率は、2000年の「63.1%」という驚くべき数値はあるものの、その他の年は「1%の桁を四捨五入すれば50%」と見ることもできる。

 2008年の「リーマンショック」のような経済危機の影響は現れているものの、バブル期も不況期も、民主党政権でも第二次以降の安倍政権でも、「おおむね、一人親の2人に1人は貧困だった」と言えそうだ。数値で見る限り、「第二次以降の安倍政権のもとで、子どもの貧困問題は解消に向かった」とは言えそうにない。

 2012年12月に第二次安倍政権が成立してから半年後の2013年6月19日、国会において、「子どもの貧困対策法」が全会一致で成立した。この法律に基づき、2014年8月には「子供の貧困対策に関する大綱」が閣議決定された。公表された「大綱」を見た人々からは、「もともとあったものばかり」という失望の溜め息が漏れた。貧困率削減の数値目標はなく、一人親に対する経済支援を大幅に拡充する計画もなかった。