本書の要点

(1)人生の終わりに近づいたとき、人は自分の人生を振り返る。そして、本当に大切なものを見つけ、心の平穏を得ることができる。健康な人でも、悩みや苦しみを抱えているならば、「今日が人生最後の日だったら、どう生きるか?」と考えてみると、本当に大切なことが見えてくるかもしれない。
(2)人によって死生観は違っても、「肉体がなくなった後も、その人の存在は残された人々の心に生き続ける」という事実は共通している。

要約本文

【必読ポイント!】
◆明日の自分に宿題を残さない
◇人生最後の日をあなたはどう生きるか

「もし今日が人生最後の日だとしたら、あなたはどう生きたいか?」。こう尋ねられたとき、人によって答えは違うだろう。最後まで仕事に全力を注ぎたい人もいれば、愛する家族と一緒に過ごしたい人もいる。

 人は普段「明日がある」と思っているから、夢や希望を抱いて生きていける。もし死を目前にして、「明日がない」と思っているなら、それは究極の絶望となる。

 著者が日々の訪問医療で行うのは、診察や検査の他に、苦しみを抱えている患者さんが少しでも穏やかに日々を過ごせるよう手助けすることである。特に、人生の最終段階にいる人々の身体の痛みや心の苦しみが和らぐように力を尽くしている。

「残された時間が少ない」という状況では、人は「人生最後を穏やかな気持ちで過ごすために必要なこと」を真剣に考える。そして自分にとって「本当に大切なこと」に気づくようになる。そのとき、著者は患者さんたちに、「○○するより、△△した方がよい」などということはしない。彼ら自身が望む「ありのまま」を尊重することが、その人にとっての一番の幸福だと考えるためだ。

「人生最後の日をどう生きたいか」を想像したときに思い浮かぶ、自分にとって一番大切なものは何か。それこそが健康なときにも、死を目前にしたときにも、私たちの人生や心の支えとなってくれる。