ロシア国内で重体に陥った同国の反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏について、ドイツ当局が神経剤「ノビチョク」を盛られたとの結論を下したことで、ロシア政府が背後で関与している可能性が濃厚となった。専門家らの間では、ウラジーミル・プーチン大統領にたて突くものはどのような目に遭うか、反対派に知らしめるため、国家が意図的に関与したとの見方が出ている。「このような毒物を使用するのは、ロシア政府以外に考えられない」。欧州大学(サンクトペテルブルク)のウラジーミル・ゲルマン教授(政治学)はこう指摘する。ノビチョクのような毒物は、国家の関与なしでは入手できないという。攻撃の手口は、想定される容疑者の範囲も含め、ロシアが正式に関与を否定する余地を残しているとの指摘も出ている。ロシア政府は今回のナワリヌイ氏も含め、過去にも似たような事件で、政府による関与を否定している。
反体制派へ見せしめか、毒殺未遂にクレムリンの影
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