ロシアは約1カ月前に世界で初めて認可した新型コロナウイルス予防ワクチンについて、早期臨床試験の良好なデータを公表した。科学者や欧米の政治家からは急速な開発ペースに懐疑的な見方が出ていた。英医学専門誌ランセットに4日掲載された試験結果によると、ワクチン接種は安全で、被験者76人全員に免疫反応が見られた。当局者は年内に大規模なワクチン接種を開始する見通しだとしている。ウラジーミル・プーチン大統領は8月上旬、国営ガマレヤ疫学・微生物学研究所が開発したワクチンを承認したと発表。新型コロナ感染症(COVID-19)の封じ込めを世界が競う中、初めてワクチンを認可した国となった。だが、ワクチンの登録は早期段階の試験のみに基づくもので、科学的データが公表されていなかったことから、ロシア政府の勝利宣言は世界の科学界に波紋を広げた。
ロシア認可のコロナワクチン、初期の治験データは「良好」
有料会員限定
あなたにおすすめ