トランプ米政権は半導体分野における中国の野望に新たな一撃を加える構えだ。米国の半導体製造装置メーカーも巻き添えを食らいかねない。米政府機関は国内企業との取引を制限する商務省の「エンティティー・リスト」に、中国の半導体受託製造大手である中芯国際集成電路製造(SMIC)を加えることを検討している。リストに加えられれば、SMICに対する米国のテクノロジーの供給が制限される。そうした制限は、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)を巡る顛末(てんまつ)同様、SMICの事業拡大計画を阻むことになる。米国が半導体機器市場で不可欠な部分を握っているからだ。投資家は今年、SMICの株を買い増している。半導体の製造を自給自足するという中国の計画において、同社が中核を担うとみているためだ。7日の香港株式市場でSMIC株は23%下落したが、それでもなお年初来で53%高となっている。一方、上海株式相場で取引されている同社株は香港上場の同社株と比べ、266%高い水準で取引されている。
米中の半導体戦争、割を食う米製造装置メーカー
有料会員限定
あなたにおすすめ