学校法人産業能率大学が行った調査のなかで、ビジネスパーソンに「幸福を表す言葉」を聞いたところ、最も多かったのは「ワクワク」だった。しかし、仕事で「ワクワク」をよく感じている人は、わずか4.1%に過ぎなかったという。職場で「ワクワク」を感じるために必要な要素とは、一体何なのだろうか。
調査は「ビジネスパーソンの『ワクワク感』調査~オノマトペで探る仕事・職場に対する主観的感情~」。調査期間は2012年8月3日~8月6日。調査方法はインターネット。全国に暮らす20~50代の社会人950人(正規=670人、非正規=280人/男性=478人、女性=472人)が対象。
男性は「ワクワク」、女性は「ほんわか」「ニコニコ」
性別で異なる「幸福感」の源
まず、ビジネスパーソンに「ワクワク」「ほんわか」「ニコニコ」などの35個の擬声語の中から「幸せを表現する言葉」を5つ選択してもらったところ、全体で最も多かったのは「ワクワク」(39.8%)。
この結果には多少男女差があり、男性の場合は20~50代まですべての年代で「ワクワク」が1位だったが、女性の場合、20代は「キラキラ」が最も多く、30代と50代は「ほんわか」、40代は「ニコニコ」とばらつきがあり、女性は男性ほど「ワクワク」を重視していない傾向がわかる。職種別に見ると、「不動産・住宅・建物サービス」のみ1位が「ニコニコ」で、その他はすべて「ワクワク」が1位となった。
しかし、多くのビジネスパーソンは、この「ワクワク」感を仕事上で感じていないらしい。直近1年間で「ワクワク」感を抱いた頻度を聞いたところ、「ない」と答えた人が47.6%。「ときどきある」(29.6%)、「まれにある」(18.7%)、「よくある」(4.1%)という結果になった。
性別・年齢別に見たところ、「よくある」と答えた人が最も多かったのは20代と30代の女性(5.6%)。男性と、40代・50代の女性は2~3%台だった。30代女性は「よくある」と答えた人が比較的多かったものの、「ない」と答えた人も51.2%と他に比べてやや多く、個体差の多い層であることがわかる。
また、「ない」と答えた人が半数を超えたのは男女ともに30代と40代。役職別に見ると、「一般社員」「主任クラス」「課長クラス」「部長クラス」「役員・経営者」の中で「主任クラス」だけ「ない」が半数を超えており、上と下の板挟みになりやすいポジションの苦悩が見て取れるとも言える。
「よくある」が10%を超えたのは、「役員・経営者」(15.4%)のみ、「部長クラス」はなんと0%だった。業種別に見ると、「よくある」が最も多かったのはサービス業(8.4%)、最も少なかったのはソフトウェア・情報処理で、こちらも0%だった。