ムーランPhoto:Frazer Harrison/gettyimages

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーの新作「ムーラン」は、将来の映画配給のあり方を占う試金石となりそうだ。また、世界的に市場が政治色を強める中で、微妙なバランスを取ることがディズニーに可能なのかも問われるかもしれない。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で、米国内では劇場の大半がまだ閉鎖されたままだ。ディズニーは4日から国内向けに動画配信サービス「ディズニープラス(Disney+)」を通じてムーランを公開。購入価格は30ドル(約3200円)に設定した。制作費2億ドルをかけたムーラン実写版は、劇場より先にデジタル公開に踏み切った映画の規模としては突出して大きい。ディズニーはこれまで、ムーランの視聴状況について詳細を明かしていない。クリスティン・マッカーシー最高財務責任者(CFO)が先頃の会議で、結果に満足していると述べただけだ。マッカーシー氏によると、ディズニーは11月に発表する次の四半期決算で詳細を明らかにする予定だ。