人気ビデオゲーム「フォートナイト」のアプリ内課金をめぐる米アップルと開発元エピック・ゲームズとの争いは、10年近い両社の関係をギクシャクさせるだけでなく、マイクロソフトのようなIT大手も巻き込む事態となっている。対立がエスカレートし、他のゲーム開発会社やハリウッドの映画制作、仮想現実(VR)シミュレーションなどに広く影響が及びかねない状況だからだ。
アップルは今月、エピック・ゲームズが同社に支払うアプリの手数料を回避するため、独自の課金システムを導入したとして、エピックの開発者権限――アップル製品でのソフトウエア配信に必要となる――を近く停止すると警告した。そうなれば今後、「フォートナイト」をiPhone(アイフォーン)やiPad(アイパッド)上で更新できなくなる。また同社のゲーム開発ツール「Unreal Engine(アンリアル・エンジン)」も同様に締め出されることになる。このソフトウエアパッケージは、モバイルゲームの作成や、複雑なビデオ効果、アニメーションなどの映像制作に利用されている。
エピックは差し止めを求める訴訟を起こしたが、この訴えを部分的に認める仮命令が24日に出された。カリフォルニア州の連邦地裁判事は同日、エピックはアップルのソフトウエア開発ツールへのアクセスを維持することができるとの判断を示した。ただ、フォートナイトのアップストアへの復帰は認めなかった。
イボンヌ・ゴンザレス・ロジャーズ判事は仮命令で「アップルは厳格に行動することを選んだ」とし、このため当事者以外も参加する「開発者エコシステムに影響を与えた」と述べた。次回の審理は9月28日に予定されている。