企業向けソフトウエア大手のオラクルは、シリコンバレー屈指の収益性を誇りつつも目立たない企業の一つだ。だが同社は今や、中国系の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国での事業パートナーとなる見込みだ。TikTokは米国の多くの10代の若者がスマートフォンに入れる人気アプリとなっている。6週間にわたる交渉の最新の動きとしてこの型破りの提携関係が急浮上した。この間、米中摩擦や商業的ライバル関係、ドナルド・トランプ米大統領の個人的介入などが絡み合い、通常の買収協議とは似ても似つかぬ展開を見せていた。TikTokを運営する中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)は14日、米政府に提案書を出したことを認めた。その内容は、中国系アプリが米国人ユーザーのデータを保有することに対し、トランプ政権に長くくすぶる安全保障上の懸念を解決するものだとしている。