米ハリウッドが「コロナ・ジレンマ」に直面している。映画館が観客を引き寄せるために注目作品を必要としている一方、映画スタジオは2億ドルをかけて制作した作品を計画通り公開するためにチケットを購入してくれる人が十分いなければならない。スタジオも映画館も失望のうちに年末を迎える可能性が強まっているようだ。何カ月も閉鎖していた米国内の映画館は約3分の2が再開したものの、週間興行収入は大半の人が映画鑑賞に戻るのに根強い懸念を抱えていることを示唆している。このためハリウッドは、映画スタジオが年内公開を望んでいた期待の高い――それに制作費用も高い――映画作品の公開を棚上げにする恐れがある。米中西部の20カ所余りで映画館を運営するエマジン・エンターテインメントの共同創業者、ポール・グランツ氏は「映画の公開を見合わせているからとスタジオや監督を責めることはできない」と語る。新作がなければ自身の事業が脅かされるが、「確実に多くの観客に見てもらえるよう、全米と世界で十分な数の映画館が開いていなければならない」と話す。 im-233422
ハリウッド映画界の試練、新型コロナが極悪玉
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