南部靖之代表
パソナグループの南部靖之代表 Photo by Masami Usui

人材サービス大手のパソナグループは、本社機能を東京から兵庫県・淡路島に移すことを決めた。東京駅に隣接する現本社には約4600人が働き、うち本社機能社員は約1800人。この本社機能社員のうち約1200人を2024年5月末までに淡路島へ段階的に移す。大企業で先陣を切る「東京大脱出」の全貌をパソナグループの南部靖之代表が明かした。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

リストラでも
島流しでもない

――淡路島への本社移転を決めましたが、東京を離れたくない社員もいるでしょう。体のいいリストラになるといぶかる声もあります。

 来られない人は無理して来なくて大丈夫。来たい人がいっぱいいるから譲ってくれればいいんです。

 それと皆さん淡路島を知らないから、島流しみたいにも思ってしまう。淡路島って八丈島(東京都の伊豆諸島にある島)の横ですかとか、沖縄ですかとか聞かれますから。島といっても神戸に近く、東京23区と同じくらいの大きさだと説明すると、「えー」と驚かれる。

 定住の心配事といえば、子どもの教育と健康でしょう。文武両道の進学校もそろっていて教育になんら心配はいりません。孫が病気したときに連れていった島の病院は仰天するくらい立派で、小児科医もそろっていました。近くには関西国際、伊丹、神戸、徳島と4つの空港があって移動もしやすい。

 当社は2008年から淡路島で事業を始め、入社式もここでやっているので、社員はどんなところであるかをもっと知っています。本社機能移転に伴い、淡路島に移りたいと言ってくるファミリー層が多いのには驚きました。子どもがアトピーだったり、アレルギーがあったりで、地方に住みたがっていた。

 島は人口が減り、高齢化が進んでいました。地元のセブン-イレブンから若者向けの商品を並べたいから、移ってくるのはファミリーなのか独身なのか教えてほしいと聞かれました。半々と答えてあります。ファミリーは増えますよと。

――移った社員は淡路島でずっと暮らすことになるのでしょうか。