原油市場の過去数十年は「成熟期」のような期間だったが、今や「老年期」に入ろうとしているのかもしれない。原油需要のピークについては、その時期に関する一致した意見はないものの、大方の予想では今後何年かで頭打ちになるとみられている。だが、これはまだピークアウトしていない場合の話だ。英石油大手BPは2019年がピークだったかもしれないとの考えを示している。それ以外では、減少が始まる時期が2020年代半ば、遅い場合には2030年代半ばになるとの予想もある。需要縮小の脅威は、それがいつ来るとしても、一世紀近くにわたって市場を支配してきた戦略を弱体化させる。需要が旺盛な時代には、競合する産油国は、将来の収益向上を見据えた相場押し上げのため減産することに合意した。需要が一貫して細るなら、このアプローチはもはや意味がなくなる。産油国は自国の原油を売ろうとあせり、競って原油を採掘するようになる公算が大きい。
原油需要ピーク説、すでに市場は転換期か
産油国間の新たな長期争奪戦は十分起こり得る
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