2002年に登場した3世代目はライバル同様に、グローバルな展開を強く意識したモデルとして開発。カジュアルからラグジュアリーを目指したものの、そのテイストは物足りなさもあり、さらに、2000年前半はSUVにヘビーデューティよりもスポーティさが求められたこともあって、2世代目ほどの爆発的な人気には届かなかった。ちなみにここで開発されたプラットフォームはやはりサーフと共用されているものだが、その後、FJクルーザーにも採用されている。
「緩さの中にある豊かさを愉しむ」
SUVらしい乗り味
そして、2009年に現行型が登場する。プラットフォームは3世代目からの流用となるが、乗り味において激変ともいえる進化を遂げている。
オフロード走破性はナナマルほどのヘビーデューティテイストには届いていないが、クロカンモデルとしてのポテンシャルは十二分。不整地ではタイヤが外れるのではないかと思われるほどにサスペンションを伸ばし、シャシーコントロールデバイスのアシストもあって、かなり急な傾斜に凹凸路面が連続するようなシーンでも果敢に走破してしまうほど。
そして、日常においては、しなやかさあふれるフィールで、ゆったりとした乗り心地を提供。曖昧さを上手く抑え込んだステアリングフィール、扱いやすいパワーフィールなど、オン/オフのバランスを極めた。
最新モデルは改良によってその点がさらに高められており、昨今のSUVから消えつつある、SUVの乗り味そのものと言えるだろう。逆にいえば、それはスポーツカー的なアジリティをアドバンテージとするものではなく、緩さの中にある豊かさを愉しむテイスト。つまり、緩さをプラスと捉えられる人でないと、最新型プラドはオススメしない。