航空業界が数十年で最悪の危機に見舞われてからほぼ8カ月。航空業界の投資家、特に複雑な仕組み商品を買った人にとって、これはまだ始まりにすぎないかもしれない。長く続いた旅行ブームの間に航空機担保証券に押し寄せた投資家は、これまでのところ痛みの一部を免れているが、それはリース会社や投資会社が保証金と当座貸し越しを利用して支払いを維持しているからだ。だが、航空会社は重要な夏という好機を逃した上、必要もなく維持する余裕もない多くの航空機を抱えて冬を迎えようとしている。支払い延期の新たな波がやってくる公算は大きい。1500億ドル規模の航空機金融市場が殺気立っているのはこのためかもしれない。今月初めには、シンガポールに本部を置く中国資本のリース会社BOCアビエーションが、未払い金関連でアジアの航空会社2社を提訴した。こうした係争は反響を呼んでいる。航空機の差し押さえには巨額のコストがかかるため、航空会社に対するリース会社の対応が甘くなりがちだからだ。
複雑な「航空機投資」 本当の危機はこれからか
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