中国の電気自動車(EV)市場は再び加速しているが、同時に競争も激化している。米テスラは好位置につけているようだが、中国メーカーの一部は価格競争に見舞われるかもしれない。これら地元メーカーの株価は今年に入り急伸した。 中国のEV販売は昨年、政府が補助金を削減してから軌道を外れ、今年に入ってからは新型コロナウイルスの流行に一段の打撃を受けた。その結果、欧州が中国を抜いて世界最大のEV市場に浮上した。それでも中国経済の緩やかな回復を背景に、国内EV販売は7月以降盛り返している。他の消費財と同様に、高級EVを重視したメーカーの方が業績は良い。1月に上海工場からのEV出荷を始めたテスラもその1社だ。テスラは現地生産によって費用節減を実現した。一部モデルで希少なコバルトを使わないリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)に切り替えたことでも、値下げ余地が広がった。テスラは今月1日、EVセダンの「モデル3」入門版の価格を8%下げ、3万7000ドル(約390万円、補助金込み)とした。補助金の対象にならない、航続距離の長いモデルの一部については、15%の値下げを実施した。