米国では、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による景気後退からの回復が2つの軌道を描いている。一部の労働者や企業、地域は順調、もしくはコロナ流行以前よりも力強くさえなっている兆しが見える一方、それ以外の労働者や企業などは大幅な落ち込みから抜け出せず、先行きが不透明なままだ。ほんの数カ月前、エコノミストらはV字回復、あるいは景気低迷が長引いた後に回復し始めるU字型の軌道を予想していた。だが現状を見ると、K字型に近い。Kの字の上向きに伸びる側には高学歴の富裕層、デジタル経済や家庭用必需品の供給に関連する企業、テクノロジーが進んだ西部都市などの地域が含まれ、概してうまくいっている。一方、下向きの側には資格が少なく賃金も低い労働者や旧来産業の企業、観光や人が集まることで経済が回っていた地域が当てはまり、コロナ危機の爪痕が何年も残ると予想されている。
米経済K字回復か、格差さらに深刻化の兆し
株式市場と家計資産が過去最高水準に近づく一方、フードバンクに長蛇の列ができ失業給付申請が増え続けている
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