米トランプ政権で2018~19年に国家安全保障問題担当の大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏は5日、中国を抑止しようとする米国の戦略は成果を上げていないとした上で、より一貫性のある姿勢で中国政府に対応するよう米政府に呼び掛けた。ボルトン氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)主催の仮想イベント「CEOカウンシル・サミット」で「わが国の戦略は抑止という古典的な政策にとどまっている。しかも、うまく行っていない」と話した。また、米国の取り組みにも関わらず中国政府が勢力を拡大している証拠として南シナ海進出やインドとの国境紛争を挙げた。ボルトン氏は昨年、政権を去ってからトランプ氏に批判的だ。外交政策に規律がないとして、来月の大統領選でもトランプ氏には投票しないとしている。トランプ氏が再選されれば大型貿易協定の成立を優先し、中国への圧力を弱めかねないと警戒感を示した。