ただ一方で、倒産件数は2008年度をピークにそれ以降減少に転じた。景気が決して良くない中で倒産が減少したのは、企業へのさまざまな支援策が講じられたことが背景にあるとみられている。

 例えば、緊急保証制度や中小企業金融円滑化法などがそうだ。

 中小企業金融円滑化法とは、中小企業などから申し込みがあった際に、金融機関は貸し付け条件変更等を行うように努めなければならないという法律で、2009年12月に施行された時限立法。

 それ以前は、金融機関への返済が滞るようなことがあれば、融資の返済を強く求められることが一般的で、企業は借り入れ返済を優先的に行ってきたが、この法律によって状況が大きく変わった。

 今回の新型コロナによる景気悪化でも、リーマン・ショック当時、あるいはそれ以上のさまざまな支援策が講じられている。

 中小企業金融円滑化法は2013年3月末で終了したが、その後も金融機関は貸し付け条件変更に柔軟に対応してきた。今回の新型コロナでは、改めて政府側から条件変更などの資金繰り支援への対応が金融機関に強く要請されたほか、緊急融資などへの迅速で丁寧な対応が求められた。

 こうしたこともあってか、全国信用保証協会連合会が発表している信用保証承諾件数は急激に増加。3月に前年同月比1.5倍増の10万件となり、6月には同5.8倍増の32万件近くに達した。これは、もし融資先が破綻しても融資金の全額あるいは大部分が信用保証協会によって弁済されるため、保証協会付き融資が積極的に利用された結果とみられる。

 また、金融庁の発表では金融機関に対する貸し付け条件等の変更申し込みは3月10日から8月末で約22万4000件となり、審査中や取り下げを除いた実行率は99.1%と、ほぼ全てで条件変更に応じられている状況となっている。

 そして日銀の貸出・預金動向によると、銀行・信金の貸し出しは今年1~3月が平均1.9%の伸びだったのに対して6月以降は6%台が続き、8月には6.7%と高い伸びを示している。

 このように、新型コロナで業績に打撃を受けている企業に対して手厚い支援が行われてきたことが倒産抑制に一定の効果を発揮してきたとみていいだろう。