年間643万トンの食品を廃棄
日本でフードロスが止まらない理由

 昨年10月、食品ロス削減推進法が施行され、10月30日が食品ロス削減の日と定められた。政府がこの問題に本格的に取り組んでいこうとしていた矢先の新型コロナウイルスの感染拡大。皮肉なことに逆に廃棄食品が増大する結果となってしまった。

 日本の食品廃棄量は年間643万トンと推計されており、このうち食品関連事業者から発生するのが352万トンにも及ぶ。食料の大半を海外からの輸入品に頼っているが、その多くを捨てているのが現実である(数値は2019年消費者庁発表資料より)。

 なぜこれほど廃棄しているのか?

 理由の一つが、「3分の1ルール」という業界の暗黙の慣習にある。これは製造日から賞味期限までを3分割し、販売は製造日から3分の2の期日までを限度としている。そのため3分の2を過ぎると店頭では売れなくなってしまうのだ。そうなると、KURADASHIのようなECサイトで値段を下げて販売をせざるを得ないが、値引きをするとブランドのイメージが下がることを恐れて、廃棄してしまう業社が少なくない。政府もこのルールを問題視しており、現在は規制緩和の方向へ施策を進めている。

 「食品ロス削減推進法が施行されたのを契機に、弊社にも出品依頼が増えています。食品メーカーやコンビニから食品廃棄に関するご相談も多くなりました。クラダシを始めた2015年当時は、食品廃棄に関心を持つ方は少なかったのですが、ここに来てようやく社会が変わり始めたと感じています。コロナ禍により食品メーカーだけでなく、農業、水産業、牧畜業などの生産者も苦境に立たされています。そういった方を支援できるよう、さらに事業を進めていきたいと新たな構想を考えているところです」(株式会社クラダシ代表取締役社長・関藤竜也さん)

 KURADASHIは設立時から売り上げの3%を社会貢献団体に寄付しており、その姿勢にも多くのユーザーから共感の声が上がっている。

 国連のSDGs(持続可能な開発目標)には2030年までに、世界全体で1人当たりの食料廃棄量を半減させるという目標が盛り込まれており、各国で改善策が進められている。世界的な課題となっているフードロス。いま一度、食生活について再考してみたい。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))

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