米銀最大手の四半期決算は驚くほど好調だった。ただ、これで一気に状況が好転するというわけではない。JPモルガン・チェースの7-9月期(第3四半期)決算は、利益と売上高がアナリスト予想を上回り、投資家が想定しておくべきはずだったことをほぼ裏付けた。人々はおおむねクレジットカードや住宅ローンの返済を続けており、株式売り出しが歴史的な急増を見せる中、大手金融機関の事業は非常に強固だということだ。しかし、依然として暗雲は漂っている。低金利とイールドカーブ(利回り曲線)の平たん化により、JPモルガンにとって重要な貸し出しの収益性は予想より悪化した。融資を伸ばすことは極めて難しい。資本水準や配当に関する今後の政策は、銀行がいつどのような規模で株主還元を実施できるかを大きく制限することになる。