お金がない夫婦実は、生活保護の不正受給については世間に基本的な誤解がある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

あのいしだ壱成さんが、なぜ……
生活保護不正受給の背景とは

『週刊文春』2020年10月15日号で、俳優のいしだ壱成氏が生活保護を受給していたことが報道された。

「事務所を“クビ” いしだ壱成に『生活保護不正』疑惑」と題する記事によると、いしだ氏は2018年のネット炎上以後、2年間、メディアに現れなかった。しかし今年7月、テレビ番組に出演し、近況を語った。

 記事によれば、いしだ氏が語った近況の内容は、2011年に石川県に移住したこと、妻および子どもと家賃5万円の一軒家で暮らしていること、妻は近所のラーメン店でアルバイトをして家計を支え、いしだ氏もシェアハウスの企画や耕作を行っているとのことである。

 記事には、「俳優・いしだ壱成(45)の知人」とされる人物の談話、および妻の働くラーメン店店主の談話が紹介されている。ラーメン店店主の談話によると、いしだ氏一家の生活困窮を見るに見かねた店主が家を貸し、仕事を紹介し、生活保護の申請を勧めたという。いしだ氏は、「6月から3カ月ほど」生活保護を受給していたようだが、9月からは受給していないようだという。

 いしだ氏は、YouTubeでの活動を開始するなど芸能活動の再開に向けた努力もしており、「それに伴い浮上したのが生活保護の不正受給疑惑」ということだ。知人が語る不正受給の内容は、「YouTubeの広告収入の振り込み先を知り合いの口座に登録」するというものである。

 また、収録済みのテレビ番組やパチンコ店の営業による収入もあり、「受け取っていれば不正受給になる」と知人は語っているという。さらに知人氏によれば、いしだ氏は生活保護の下でも「収入が30万円を超えなければ生活保護に当たるんだ」と語っていたということだ。いしだ氏の家族構成の場合、居住する自治体で受給できる生活保護費は1カ月あたり17万6000円程度である。「30万円」は、その2倍近い金額である。