新型コロナウイルスは米経済に打撃を与えているが、米国人のクレジットスコア(個人の信用度)は上昇している。クレジットスコアは個人の返済履歴などを信用情報会社が点数化したもので、消費者向け融資のあらゆる場面で利用される。FICOスコア(300~850点)を開発した米フェア・アイザック(FICO)によると、7月のFICOスコアの平均は711と、4月の708、前年同月の706から上昇した。7月の数字はFICOが記録を取り始めた2005年以降で最も高く、早期の見通しでは10月半ばまでこの水準を維持したとみられている。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が米国にも及んだことを受け、政府や金融機関が消費者向けに空前の規模の金融支援をしたことが主な要因だ。景気刺激策や失業給付の拡充で、多くの借り手は期限までの支払いが可能になり、債務を返済できた人もいる。住宅ローン、自動車ローン、学生ローンなどの返済猶予が拡充され、信用情報に傷が付かずに済むこととなった。