ドナルド・トランプ米大統領の就任以降、政権の安全保障チームを構成する多くのメンバーは、米国にとって最大の脅威が中国だとみなし、対決を強く望んでいた。だが当初の3年間に彼らの前に立ちふさがった最も高い障壁は、そうした見方を共有せず、中国との貿易交渉を妥結に導くことを最優先課題に掲げた大統領だったと、現・元当局者は話す。「国家安全保障会議(NEC)は『中国をどのように懲らしめたいか、希望リストがほしい』と言った」。ある元安全保障当局者は、政権初期にこんなやり取りがあったと振り返る。それに対し、台湾(中国は自国の分離した一地方と見なしている)との関係強化や、中国通信企業の世界進出を阻止することなど、幅広い提案がなされたが、実際に意味ある行動はほとんど取られなかった。
米政権の対中強硬派、トランプ氏の方針転換で勢い
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