「大事なのは経済だ、ばか者」。28年前の大統領選でビル・クリントン氏のアドバイザーを務めたジェームズ・カービル氏は、こう書かれたポスターを選挙対策本部に掲げることで勝利に一役買った。有権者にとって経済以上に重要な問題はないとのメッセージをスタッフの頭にたたき込むための、奇抜な手法だった。だが今年はこれまでのところ、重要な争点は経済ではないように思える。有権者はこれまで同様、ドナルド・トランプ米大統領の経済手腕に信頼を置いているものの、投票日まであと2週間となった今も同氏の劣勢は変わらない。このことは2つの疑問を投げかける。なぜそうなのか? そして、経済問題はなお土壇場での逆転を実現する原動力となり得るのか?