今や経済大国となった中国からやってきた人の内、毎年3000~4000人が日本人に帰化している。その理由は何か。今回は「歌舞伎町案内人」としても知られる李小牧氏に話を聞いた。(ライター 根本直樹)

「元中国人」が
政治家を目指す理由

李小牧氏
李小牧氏 撮影は筆者

 李小牧(60歳)はこれまでに2度、「日本人」として新宿区議会議員選挙に立候補した。惜しくも落選したが、選挙活動中、「元中国人」という言葉で自身の独自性をアピールしてきた。

 なぜ、あえて「元中国人」であることを有権者に伝えたのか。コロナ禍で閑散とした新宿歌舞伎町のすし店で、李は大好きな熱燗(あつかん)をハイピッチで飲みながら、冗舌に語った。

「私の夢は日本で政治家になって、良いところも悪いところも全部含めて、第二の故郷である日本の現実を14億の中国人に伝えたい。民主主義の実態から若者の流行まで、日本の今をきちんと知ってほしい。それが結局は日本のためになると思っている。日中友好のために残りの人生を生きていきたい。元中国人の私だからそれができると自負しているんです」

 外国人向けの夜のガイド「歌舞伎町案内人」からスタートし、作家、ジャーナリスト、中国料理店の経営者、そして区議会選立候補へとダイナミックに歩を進めてきた李だが、その半生は毀誉褒貶(きよほうへん)の激しいものだった。