そのあとでステップ5になる。〈変身と再生〉は、もっともむずかしい段階かもしれない。でも、それはもっとも忘れがたい段階のひとつでもある。毎日のように最高の自分自身があらわれるようになり、きみの世界全体が変わりはじめるのは、この段階だ。はっきりいって、変化はかならずしもたやすいとはかぎらないが、このプロセスで受ける恩恵は、残りの人生でいい結果をもたらしてくれるだろう。

 ステップ6は〈試練〉だ。宝物にとどりつくまえに、探究者は試練と向きあうことになる。試練の目的はふたつある。まず、探究者に途中で学ぶべき教訓を学ばせ、つぎに、探究者がどのくらい本気で宝物をほしがっているかを確かめる。ほとんどの人があきらめるのはこの段階だ。もう少しがんばれば、角をまがったところに最高の贈り物が待っていたのだが、悲しいことに、あまりに多くの人がこの時点で撤退してしまう。

 で、ようやく、ステップ7の〈おおいなる目覚め〉になる。この地点に到達すれば――ごく少数しかたどりつけない――覚りの境地になれる。本来の姿を反映したあらゆるものになれる。きみを世の中におくりだした自然の力とつながっていたときに知っていた在り方にもどる。恐れを知らず、無垢で、きわめて賢明で、はてしない可能性と純粋な愛に満ちた存在になる。影はなく、光だけだ。意欲をもって献身的になれば、その段階に到達できる。

 だが、その最終目的地にたどりつくためには、人生そのものを欲するより強く、そこに到達したいと思わなくてはならない。コラムニストのシーラ・グレアムのことばを思いだすよ。“どうしてもと強く願えば、なんでも手に入る。そのためには、皮膚から噴きあげ、世界を創造したエネルギーと合流する、あふれんばかりの熱情でそれを望まなければならない”

「美しいことばですね」わたしは賞賛した。

「そして、あらゆる人間が到達したがる場所で、覚り以上にすばらしいところがあるかい?……いっておかなければならないが、目覚めの第七段階は特効薬ではない。つまり、変身のための手っとりばやいプロセスではないんだ。努力、忍耐、時間を要する。このさき数週間で、七つのステップをもたらすさまざまな経験に案内しよう。わたしはきみのコーチだから、七段階のプロセスを示すのが義務だ。だが、わたしと会ったあとの数週間、数ヵ月、数年、それを糧(かて)として生きるのはきみの責任になる」

 わたしは心の奥にかすかな悲しみを感じた。ゆうべ、わたしの人生に入りこんできたばかりなのに、こんなにはやく別れを口にするのは驚きだった。みじかい出会いのなかで、彼はすでにわたしの心をみごとなインスピレーションで満たし、おおいなる英知を授けてくれていた。彼があたえてくれた知識を少しでも実行すれば、わたしの人生全体がまったくちがうものに見えるのはわかっていた。

本書では七つのステップを章ごとに追体験していきます。本書もぜひお読みください] 


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自分の人生はこれでよかったのだろうか?ふと立ち止まって思うことはありませんか?世間で成功とされている価値観や、外面的な成果を追い求めていたのでは?本書の主人公、ダールとともに、ほんとうの心の声に従って生きるための7つのステップを歩んでください。それは、忙しい日常の中で自分の内面を見つめる時間を持ち、心を穏やかに健康に保つためのワークです。心の中に静かな自信と、自分らしく生きる勇気が湧いてくるでしょう。

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