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「文章がうまくなりたいなら、毎日2時間は本を読め」。そんな厳しい課題を、朝日新聞記者として長年活躍し、社内外の記者やライターを指導する私塾でも課しているのが、作家・評論家の近藤康太郎氏だ。日本文学、海外文学、社会科学、詩集――幅広い読書を通じてこそ、文章の「骨格」は鍛えられるという。さらに近藤氏は、「村上春樹の軽薄さが苦手」といった見方も、実は表層しか見ていない誤読だと指摘する。忙しくて本を読む時間がない人でも実践できる、独自の“スパルタ読書術”とは。※本稿は、作家/評論家/百姓/猟師の近藤康太郎『三行で撃つ〈善く、生きる〉ための文章塾』(CEメディアハウス)の一部を抜粋・編集したものです。
何があっても毎日2時間は
絶対に本を開けよう
ライターにとっての「書く」は、広い意味で「読む」も含まれている。書くことと読むことは、引き手と押し手だ。水面下でボートのオールを力いっぱい漕ぎ、水面から出して空中を返翼する。つねに一体になっている。書くこととは、すなわち読むことでもある。
いつ書くかという問題は、だから、いつ読むかという問題でもある。
いつ読むか。これも書くのと同様、おのおのが決めていい。しかし「どれだけ読むか」ということには、最低ラインというものがある。わが私塾(編集部注/筆者は社内外の記者、ライター、映像関係者に文章を教えている)でいちばん厳しく教えるのは、ここだ。
といっても、たいそうなことではない。毎日2時間。これだけだ。しかし、例外なく、必ず。盆も正月も、彼氏彼女と別れても、親が死んでも、必ず2時間、本を開ける。
2時間にも内訳があって、1時間は、自分の好きなもの、なにを読んでもいい。ただし、半分の1時間は「課題図書」を読まなければならない。課題とは、具体的には四つのジャンルのことだ。
(1)日本文学
(2)海外文学
(3)社会科学あるいは自然科学
(4)詩集
(1)と(2)については、そのなかでも「古典」と呼ばれるものに限定する。理由は各項で後述する。なお(3)も、できれば古いものから順に読み始めたほうが、結局は理解が早い。







