七つのうちのステップ2は、〈選択ポイント〉として知られている。自分が多数派にしたがっていて、本物でない人生をおくっていることが自覚できるようになったら、きみは選択の機会をあたえられる。……多数派がきみに信じさせたがっているものが現実であるという幻想を受け入れていたことに気づくと、きみは選択の機会をあたえられる。いままでどおりに生きつづけるか、……最高の人生に向けて始動するのか。
そして、詩人のデイヴィッド・ホワイトがいったことを忘れてはならない。“人間は、他人の人生で成功するより自分自身の人生で失敗するほうがはるかにいい”。自分の人生を生きる勇気をもつことほど大切なものはないんだ。
ステップ3は〈驚異と可能性の目覚め〉と呼ばれている。この段階で、きみはあらたな眼でものを見るようになる。いままでより多くの真理が見える。世界はきみに勝ってもらいたがっていること、世界はゆたかで、機会と尊厳にあふれていることがわかる。人びとは根本的には善人で、人生が課した苦悩があるからこそ、彼らはよからぬことをするのだとわかる。チャンスがない、といってるわけではない――もちろんあるし、いかに苦しんでいようと、だれもが、親切で、健康で、善良になろうと思えばなれる。
わたしがいいたいのは、この段階では、きみは人びとをふるまいによって分類しはじめるんだが、人を傷つける利己的なふるまいをみせる人もいるかもしれない。そういったふるまいをする人は苦しんでいる、と見なされるようになる。偏見のないしあわせな心をもった人間は、他人を傷つけることはできない。目覚めのプロセスのこの段階では、最高の自分についても深く知るようになる。自分へのあらゆる裏切りがかつてないほどはっきり見えて、自分がどんな人間であるかがわかる。これは、回帰の旅におけるきわめて感動的な段階だ」
「ステップ4は?」
「〈偽りの人生を生きる〉段階をあとにして、最高の自分を呼びさます決意をすることによって〈選択ポイント〉を通過し、幻想の向こうにある世界――すばらしい驚異と無限の可能性に満ちた世界――を自覚したあとで、きみはステップ4、〈師からの指示〉にたどりつく。探究者がさまざまな師を捜しはじめ、知識へとつづく多くのことなる道を探険するのは、だいたいこの段階だ。探究者は答えと癒しに飢えている。探究者のもとには短時間でおびただしい数の知識が押し寄せくるのだが、すべてを消化することはできないから、混乱をきたすかもしれない。だが、混乱はいずれかならず明晰さを生みだし、すべてのあたらしい知識はきみのなかでみごとに統合されることをわかってほしい。これが真の英知のはじまりなんだ。