では、どうすればいいか。ビジネスの雑談においては、「相手からものを教わる」スタンスを崩さないのが鉄則だ。むしろ率先して、「先生と生徒ロールプレイ」を始めよう。「最近ちょっと悩んでることがあるんですけど」と、少しだけ自己開示して、身の上相談をする。相手が話している内容について「はい!」と生徒のように挙手をして、「○○って●●なんですか? 教えてください!」と質問をしてもいい。

「相手が上、こっちが下」という関係をキープすると、どんな話題でもうまくいく。どんな話題でも、「門外漢ですみません」「無知で恐縮です」と言いながらレクチャーしてもらえばいい。相手は気分がいいし、こちらの知識も増える。まさに一石二鳥のテクニックである。

◇上司と2人きりになったら

 エレベーターで上司と2人きりになって、気まずい空気が立ちこめることがある。そんなとき、「話しかけられないように目をそらす」はNGだ。どんなに気配を隠しても上司にはばれてしまうものだし、「俺の顔を見て、目をそらしやがった」とむっとされるのがオチである。

 そんなシチュエーションでは、必ず自分から話しかけるようにしよう。話題はなんでもいい。無視しないことがとにかく重要なのだ。「部長、お疲れさまです!」「おお、どう、調子は?」などといった何気ないやり取りをしているうちに、目的の階に到着する。

 ただ、タクシーの中ならそうはいかない。そんなときは「車窓から見える街並み」を利用するのがいい。「車、混んでますね」「ここの道、ずっと工事してますね」「あれ、あの店なくなってる。ずいぶん街の雰囲気が変わりましたね」などと、目についたものを片っぱしから口にする。上司はそれをきっかけに、日本の景気の話や、その街にまつわる思い出話を始めてくれるだろう。その話にあいづちを打っているうちに、時間は過ぎていく。話が途切れたらまた、見たものを話題にすればいい。

 このテクニックには、「突っ込んだ質問をされづらい」というメリットもある。上司なりに気を使って「どこに住んでいるの?」「趣味は何をしているの?」などと質問されても、それはそれで部下としては疲れるものだ。だからこそ、目についたものの話題を次々に振って、あたりさわりなく雑談するのが正解である。