コロナ禍の業績悪化で社内に漂う「諦めムード」をどう打破するか社員たちの士気を高めるために経営者がすべきこととは? Photo:PIXTA

コロナ禍の業績悪化に漂う
「諦めムード」をどう打破するか

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 今年は想定外の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、営業活動がままならず、業績が悪化している企業が多数出ています。業績悪化の原因が自社にあるのなら、原因を分析して改善すればいいのですが、コロナ禍ではそううまくはいきません。なかなか業績が回復せず、社員の士気が下がり、諦めムードが漂ってしまっている組織も少なくないでしょう。

 では、そうした組織のムードを変え、社員たちの士気を高めるために、経営者は何をすべきなのか。

 社員の士気を高めるには、2つの方法が考えられます。

 1つは、目標設定の見直しです。コロナが経済に与える悪影響が本格化したのは2020年2月ごろでした。1月から12月の1年間を決算期間としている12月期決算の会社は、前年(19年)の12月ごろまでに目標を作っています。当然コロナ禍は予想だにしていません。

 そのため、予想と実際の業績が大きく乖離(かいり)している会社がとても多い。3月期決算の会社でもコロナ禍が本格化する前に作った目標をベースに活動していれば、コロナの影響を織り込むことができず、目標を大きく下回っているはずです。

 今年はあと2カ月ほどで終わりますが、コロナ禍の「終息」はおろか、「収束」の見通しすら立っていません。そのため社員たちが「どうあがいても目標を達成できない」と投げやりになってしまうと、会社全体に諦めムードが漂い、さらに士気が下がる悪循環に陥ってしまいます。