まずはメルセデス・ベンツというブランドの歴史についてです。

史上初ともいわれるガソリンエンジン車のベンツ・パテントモーターワーゲン1886年に生まれた、史上初ともいわれるガソリンエンジン車のベンツ・パテントモーターワーゲン。1リッターエンジンを搭載した2人乗りとなる

 ゴットリープ・ダイムラーとカール・ベンツという2人のドイツ人技術者が、今から130年ほど前にそれぞれ創業した自動車メーカーが、1926年に合併して誕生したのがダイムラー・ベンツです。

 そしてダイムラー・ベンツ社が作る「メルセデス・ベンツ」というクルマは、わりと最近までの長きにわたって「権威の象徴」でした。

1982年にブランド初のコンパクトモデルとして登場した1901982年にブランド初のコンパクトモデルとして登場した190。国内にも1985年から導入、初の5ナンバーサイズのメルセデスとして人気であった

 ダイムラー・ベンツは、基本的には大ぶりで高性能な高級乗用車だけを開発し、そしてそれを買う必要性と財力があるエグゼクティブだけが、各モデルを購入していました。

 これによってメルセデスというブランドは“権威”になったわけですが、ただ単に「大きくて高くて、そして金持ちが買っていたから権威になった」というわけではありません。圧倒的なまでの諸性能と信頼性がメルセデスの全モデルに備わっていて、なおかつその好ましい状態を長らく継続させたからこそ、ベンツは“権威”となり得たのです。