米アップルとグーグルはこれまで、ウェブ検索サービスの契約を巡る議論で決して熱くなってはいない。だがいずれ、そうならざるを得ないかもしれない。米司法省は10月20日、長らく調査してきたグーグルに対する提訴に踏み切った。焦点となるのは、グーグルが検索エンジンの優先表示を確保するためにアップルなど端末メーカーと結んでいる契約だ。そうした契約は親会社アルファベットが支払うトラフィック獲得コストの大部分を占める。足元では年間300億ドルを超え、ここ5年ほど年率18%の伸びとなってきた。アップルはそのうち最大の支払いを受け取っていると広くみられているが、両社は金額を公表したことはない。アップルがこれまで開示に最も近い動きをしたのは、四半期報告の中で、年間530億ドルのサービス事業の成長をけん引する三大要因の一つに「ライセンス料」を挙げたことだ。そのわずかな情報は示唆に富んでいる。ライセンス料はアップルの事業年度の過去5年にわたり、サービス事業の成長に寄与したトップもしくは2番目に大きな項目となっていた。同社は3カ月前に開示方法を変更し、ライセンス料を広告のカテゴリーに含めた。アップルが10月29日に当局へ提出した2020年度(20年9月まで)通期決算によると、広告もやはり、サービス事業の成長をけん引した項目で2番目に大きかった。