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コロナ不況で、会社の売り上げはどこも厳しい。そんな中、営業課長は厳しいノルマを掲げ、達成できない部下たちを激しく叱責していた。限界を感じたA係長は、課長に直談判をするのだが、より窮地に追いやられることになってしまった。事態に気付いた社長が下した処遇は…。(社会保険労務士 木村政美)

<甲社概要>
アメニティーグッズの販売会社。本社の他、全国に数カ所の営業所がある。本社営業部門は第1~第4課まである。
<登場人物>
 A:30歳。第1営業課係長。
 B:40歳。Aの上司で第1営業課長。他の営業所からの赴任で今年4月より現職。こわもてで体格が良く声が大きい。
 C:50歳。甲社の社長。
 D:甲社の顧問社労士。

コロナ禍でもノルマを引き上げる課長

 「ああ、今月もノルマを達成できなかった……」

 6月末、営業日報を書き終えたA係長は大きなため息をついた。第1営業課では関東圏の旅館やホテルを顧客としているが、昨年までの好調な営業成績とは一転、今年はコロナの影響で取引先の営業停止や自粛が相次いだことにより、かなりの苦戦を強いられていた。しかし事情を考慮しないB課長は、なんと昨年と比べて2割高い売り上げノルマを課員たちそれぞれに突き付けてきたのだ。そして毎日朝礼でノルマ達成のための檄を飛ばし、名指しで叱責することもあった。さらに課員との個人面談でもノルマが未達成であることを理由に激しい叱責を繰り返していた。

 B課長が上司になってから3カ月が過ぎ、この指導に我慢できなくなった課員たちはA係長に詰め寄った。

「ただでさえ売り上げが落ちても仕方がないのに、ノルマを引き上げるB課長のやり方は納得できません。A係長から改善するように言ってください」

 A係長は承知し、今日の面談でB課長に話すことを約束した。