韓国,文大統領
Photo:Chung Sung-Jun/gettyimages

韓国の文在寅大統領が
「ニューディールファンド」の創設を発表

 9月3日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は。190万人の雇用創出を目指す「韓国版ニューディール計画」の一環として「ニューディールファンド」の創設を発表した。文政権は、財政資金から3兆ウォン、政府系金融から4兆ウォン、民間金融機関と国民から13兆ウォンの計20兆ウォン(約1.8兆円)を調達し、2021年からの5年間でバッテリーやインターネット関連産業や環境対策事業などに投資する。基本的に、運用から生じる損失は公的資金で補填される。また、得られた配当は税制優遇される。

 今回の官製ファンド設定の目的については、文大統領が公的資金を使って企業の支援を行うと同時に、景気を下支えすることで文大統領の支持率を維持することを狙ったとの見方もある。専門家の中には、ニューディールファンドの創設に懐疑的な評価もあるようだ。今後、国民からの支持を得られるかが焦点になるとみられる。国民からの支持を得られないと、文大統領の支持率の足を引っ張ることもありそうだ。

 経済政策上、公的資金を用いた産業支援はおかしなことではない。わが国などでコロナショックによって経営が悪化した航空大手への支援が行われている。それは、航空会社が長期の経済安定を支える、公共性の高い企業だからだ。また、わが国では旧日本長期信用銀行の株式譲渡の際、瑕疵(かし)担保条項が設定された。経済が大きく混乱し民間のリスクテイクが困難な場合、公的資金を用いた産業支援は長期の経済安定に重要だ。