米ファイザー社は9日、同社製の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防ワクチンについて、治験の後期段階で90%の確率で感染を防止できることが示されたと発表した。これは暗い1年となった2020年を通じて最良のニュースとなった。この暫定結果が正しければ、2021年半ばにはパンデミック(世界的大流行)からの出口が見える可能性がある。そして、ジョー・バイデン氏が9日に発表した新型コロナ対策チームのロックダウン(都市封鎖)に前向きな姿勢から、人々を守る可能性がある。90%という有効率は、大半の期待を大きく上回るものだった。米食品医薬品局(FDA)は、緊急承認の対象とする基準として50%の有効率を定めていた。欧州諸国は、50%以下の有効率でもワクチンを承認する可能性があるとしていた。毎年のインフルエンザワクチンの有効率は、良い結果の年でも30~60%だ。ファイザーと独バイオ医薬品企業バイオンテックが開発したワクチンの90%という有効率は、はしか(麻疹)ワクチンとほぼ同等であり、高齢者にも有効な可能性がある。さまざまなワクチンは、高齢者にも常に有効とは限らない。
【社説】コロナワクチンの朗報への対応は
ファイザーのワクチン「90%に効果」発表、バイデン政権の対応を注視
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