11月5日時点で、大統領当選に必要な270人の選挙人のうち、バイデン候補が264人、トランプ候補が213人と、バイデン候補の優勢に状況が切り替わりますが、そこから開票が停滞します。郵便票の開票には時間がかかるので、数日間結果がわからないのです。

 この段階でトランプ支持者が気をもんだのは、各州の予測です。共和党が地盤とするアラスカはトランプが獲るとして、残る激戦州としてネバダ、ノースカロライナ、ペンシルベニア、アリゾナの4州の開票の行方次第では、トランプ候補の再逆転もあり得たのです。実はノースカロライナ、ペンシルベニア、アリゾナは、この時点でトランプが優勢とされていました。

 選挙結果が出ていなかった州で、唯一バイデン優勢だったのがネバダ州でしたが、そのネバダ州の選挙人は6人なので、ネバダでバイデンが勝てば残り全部をトランプがとっても、270対268でバイデン勝利になる。チェスの勝負でいう「チェックメイト」寸前の状況で、バイデン候補はしたたかに勝利宣言のタイミングを待っていたわけです。

気をもみ続けたトランプ支持者
郵便投票は本当に不正の温床なのか

 トランプ候補陣営の働きかけもあったのでしょうか、バイデン勝利で終わったはずのジョージア州でも、僅差を理由に再集計が始まります。こうしてアメリカ中がジョージアを加えた5州の結果について気をもむ状態が、数日間続いたわけです。

 最終確定は11月末までずれこむかもしれませんが、本稿執筆時点ではほぼ結果が判明しています。5州のうちネバダ、ペンシルベニア、アリゾナ、ジョージアはバイデン氏が確保し、トランプ氏が勝てるのはおそらくノースカロライナだけ。このままの見込みだと、バイデン306対トランプ232と、バイデン候補が大差をつけて次期大統領に決まることになるわけです。

 おそるべきはレッドミラージュで、こうしてまとめてみると、ミシガン州、ウィスコンシン州、ネバダ州、ペンシルベニア州、アリゾナ州、ジョージア州と、開票の後半、重要な州において、トランプの赤は次々とバイデンの青にひっくり返ってしまったのです。

 このレッドミラージュは、あくまで郵便投票が遅れて開票された結果なのですが、そもそもトランプ候補は選挙の随分前から「郵便投票は不正の温床だ」と口撃していたわけです。トランプ陣営は、後から開票された郵便投票の中に大量の不正票が混じっていると信じています。そのためトランプ支持者にとっては、レッドミラージュが本当に蜃気楼になってしまったことは、悔しくて仕方のないでしょう。