米大統領選で当選を確実にしたジョー・バイデン前副大統領にとって、来年1月の就任早々、最大の優先課題となるのは、米経済を深刻なリセッション(景気後退)から脱却させることだろう。バイデン氏には、過去にも似たような経験がある。副大統領として、オバマ政権の復興計画を指揮した。バイデン氏が12年前の金融危機時に主張していた優先課題と、同氏のチームが学んだ教訓は、今回の危機にバイデン政権がどう対応するのかについて手掛かりを提供する。バイデン氏は金融危機時に、チームのメンバーによく「誰も小さな十字架にかけられたくはない」と話していた。ホワイトハウスのエコノミストだったジェイソン・ファーマン氏は当時の様子をこう振り返る。バイデン氏が伝えたかったのは「何をやっても攻撃されるのだから、大きく行け」というメッセージだ。ファーマン氏はニューディール政策を引き合いに出し、バイデン氏は「90年後も人々が覚えているような、大変革を目指していた」と語る。