新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るうさなかでも、米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーであるのは良いことだ。テーマパークやクルーズ船、劇場映画やスポーツのライブ中継を基盤とするディズニーにとって、2020年通期(10月3日まで)の決算は散々な結果だった。だが同社が12日発表した同決算は、世界的な巨大エンターテインメント企業がそうした穴の多くを埋められることを示した。売上高はパーク事業が37%減、映画事業が13%減となったが、売上高全体としては6%減にとどまった。ケーブルテレビ事業の成長とストリーミング配信サービスの好調が追い風となった。特に後者は最近、ディズニーで注目を一身に浴びている。それにはもっともな理由がある。動画配信サービス「ディズニープラス」は1年前に好調なスタートを切った後も、急速なペースで加入者を伸ばし続けている。7-9月期(第4四半期)だけでも1600万人余りが加入した。調査会社ビジブル・アルファがまとめたアナリスト予想870万人の約2倍に上る。開始から1年たったディズニープラスの有料会員数は現在7370万人を数え、これは同社が当初、5年間で達成すると見込んでいた会員数の予想レンジの中間点にあたる。