『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が10万部を突破! 本書には東京大学教授の柳川範之氏「著者の知識が圧倒的」独立研究者の山口周氏「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せ、ビジネスマンから大学生まで多くの人がSNSで勉強法を公開するなど、話題になっています。
この連載では、著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。(イラスト:塩川いづみ)
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら

「クリスマスイブなのに恋人も友達もいない」と劣等感を抱いてしまう根本原因Photo: Adobe Stock

[質問]
「友達が少ない、恋人がいない」という事実がもたらすコンプレックスは、どうすれば解消できるでしょうか? 友達や恋人を作り、コンプレックスの直接的原因を取り除くしかないのでしょうか。

人のランク付けをやめない限り、劣等感は消えません

[読書猿の回答]
 友人が少ない/恋人がいない自分に劣等感を感じるのは、人間関係の多寡で人をランク付けしているからです。そして友人を「増やす」などと言えるのは、お互いを数合わせのために、あるいは時間つぶしのために「友人」と呼び合っているだけなのでは、と強く疑ってしまいます。

 つまりは、人の値打ちを人間関係で計るほどご執心なのに、肝心の関係の内実については、理解しないまま放置するほど無頓着に見えてしまい、人と付き合うことをもっと真面目に考えた方がよいと言いたくなります。

 ランク付けをやめない限り、上には上がいる訳ですから、どこまでいっても劣等感は消えないし、数合わせの友誼では、お互いを大切なものとして遇する友情の喜びを知ることもないでしょう。