ある日、「中の人」がタイムラインを見ていたら、他社の「ガリガリ君リッチ コーンポタージュ」を「温めたらコーンポタージュスープになるか試してみた」という記事がバズっていた。そこで「中の人」は、あずきバーが温めるとぜんざいになることを伝えるべく、「あずきバーをレンジでチンしてみた」と、その過程をレポート。すると、500人ほどだったフォロワーが1万人を超えた。あずきバーを温めるとぜんざいになるというのは社員にとっては常識だが、世間的にはサプライズだったのだ。

◇エープリルフールに参戦しなくなった理由

 エープリルフールは企業アカウントの鉄板ネタだが、井村屋のアカウントは、2019年から参戦をとりやめた。2018年まで、恒例行事として取り組んでいたにもかかわらずだ。

 たとえば2016年には、井村屋を「丼村屋」に“社名変更”して、その日1日、ツイートの末尾に「ドン」を付けて投稿した。2017年のネタは、「猫専用のあずきバー『あずきニャー』発売、ペットフード業界に参入」だ。

 こうしたイベントによって、フォロワーに喜んでもらえているという手応えはあった。しかし一方で、懸念もあった。

 一つは、エープリルフールに参戦するアカウントが増え、注目を集めるのが難しくなってきていたことだ。大量のネタが投稿されるので、自社のツイートが埋もれてしまっていた。

 もう一つは、エープリルフールそのものに対してネガティブな反応が出てきたことだ。どんな投稿にもネガティブな反応があるのは当たり前だが、「エープリルフール疲れ」をしている人や、飽きている人が増えてきているように感じていた。

 また4月1日は新年度に切り替わる日だから、体制や組織に関する重要なお知らせが発表されるタイミングだ。 “ウソ”のツイートが溢れていることにイライラしている人も多くいるようだった。

 そのような考えから、「井村屋」アカウントでは、エープリルフールにウソをつくことをやめた。その代わり、パッケージに付いているマークを集めて応募するとプレゼントが当たるキャンペーンの告知日なので、オリジナル漫画を毎週投稿してキャンペーンを盛り上げることにした。あずきバーの購入者は60代がメインだが、この漫画を掲載してから30~40代の購入が増えており、漫画効果を感じている。