GDP写真はイメージです Photo:PIXTA

 7~9月期の実質GDP(国内総生産)は、対前期比年率21%の成長だった。しかし、ここには特殊要因がある。

 第1はマスクなどの輸入減だ。これがなかったとすると、対前期比成長率は13%になる。

 第2は特別定額給付金だ。今後は給付金がないのでGDP成長率は年率2%ポイント程度押し下げられる。

 他方で、交通、旅行、教養娯楽などの需要の落ち込みは続く。したがって、今後、GDPの回復は鈍化する。また、企業が雇用調整をすれば、さらにGDP成長率は落ち込む。

輸入減少の効果がなければ、
落ち込みの3分の1しか戻らず

 11月16日に公表された2020年7~9月期のGDP速報値によると、季調済み実質GDPは、対前期比年率21.4%という大幅な増になった。

 これによって、1~3月期から4~6月期への落ち込みのほぼ半分を取り戻したと報道されている。