では、金融的要因に基づく株価の動きは現在どのような段階にあるのだろうか。以下の図は、典型的な金融・経済と資産価格の循環を時計の針の動きに例えたものだ。時計の時刻の「高さ」が、資産各区の割安・割高に対応している。

 筆者の個人的な解釈は以下のようなものだ。

「コロナ前、特に米国の株価はバブルを形成中で、11時を過ぎて12時近辺に達しつつあった。社債による資金調達と自社株買いがバブルの原動力だった。しかし、コロナの発生によって、通常なら右に回るはずの時計の針の軸部分が壊れて資産価格はいきなり6時に落ち込んだ。時計が壊れてしまった」

「ところが、次に金融・財政両方の政策投入で資産価格は急浮上することとなり、時計は強力に修理された。どうやら現在は再び11時を回ったように見受けられる。今度の信用拡大の主な主体は政府だ。これにまた民間企業が尻馬に乗ると、バブルの天井は意外に高いかもしれない。しかし、バブルを形成中なのではあろうな……」