「分配金」が毎月もらえることで人気の毎月分配型の投資信託。だが、高い利回りだけで選ぶのは厳禁。なぜならば、半数以上の分配型投信は元本を取り崩すことで高水準の分配金を出しているからだ。特集『高利回り商品 総点検』(全12回)の#2では、純資産総額が大きい人気60本の分配金健全度を公開する。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
元本を取り崩して高利回りを実現
販売好調でも残念な分配型投信
シニア層を中心に支持されているのが、毎月分配型の投資信託。配当や分配金が年に2回程度の個別銘柄投資と違い、「毎月」分配金が受け取れるからだ。預貯金の利率がほぼゼロだけに、お小遣いを受け取る感覚で毎月の分配金を楽しみにしている人も多い。
ただし、毎月の分配金だけに注目して投信を選ぶのは厳禁。なぜならば「分配金利回り」競争が激化した結果、高水準の分配金を出すために、継続的に元本を取り崩して高水準の分配金を維持しているケースがあるからだ。
金融庁の指導により、以前よりは運用会社各社が分配金を引き下げている。それでも残念ながら、「タコが自分の足を食べる」ように元本部分から分配金を捻出する「たこ配」状態の投信は少なくない。
そこでダイヤモンド編集部では、実際に年に4回以上決算のある純資産総額上位60本のファンドについて基準価額の推移と分配金利回りを調査。分配金健全度は、直近1年間の騰落率から分配金利回りを引くことで確認できる。この数値がプラスであれば、受け取った配当や分配金を含む基準価額の値上がり分から分配金を出している。
問題は分配金健全度がマイナスの場合だ。なんと20本の投信で分配金健全度が30%以上のマイナスとなっている。その多くは国内外のリートに投資する商品だ。