地銀への就職は勧めないが「投資妙味はあり」といえる理由Photo:PIXTA

地方銀行は今や「Go To再編」キャンペーンが用意されたかのような状況にある。地銀を取り巻くビジネス環境は厳しく、今後さらに厳しさを増す公算が大きいため、就職先としてはお勧めし難い。ただ、投資先として考えたときは妙味があるかもしれない。そう考える理由をお伝えしよう。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

地銀には「Go To再編」キャンペーン?
公のお金で支援する特別扱いの是非

 就職は勧めない。だが、投資の対象としては面白いのではないか。「地方銀行」全般に対する評価を遠慮なく言うなら、このような内容になる。

 さて、旅行関連業者に「Go Toトラベル」が、飲食業者に「Go Toイート」があるからか、地銀には「Go To再編!」のキャンペーンが用意されたかのようだ。

 再び遠慮なく言うなら、いずれのキャンペーンにも、対象となる事業者や顧客属性に関する不公平性、そして公のお金の使い道としての効率性に疑問がある。いずれも、他にも困っている業界があるのに、なぜ旅行、飲食、地銀といった特定の業界に国のお金で対策がなされるのかの根拠が不明だ。加えて、お金の使い方が果たして効果的なのかも疑わしい。

 地銀業界を見てみよう。政府は地銀再編を促すため、地銀に20億〜30億円程度の補助金を出す新制度を盛り込んだ「金融機能強化法改正案」を来年の通常国会に提出する方針だという。人口が減少する地域に営業基盤を持つ金融機関に限定して、合併や経営統合などの抜本的な事業の見直しを行う場合、規模に応じて補助金を出す考えとのことだ。