「会見に同席した支援団体の方が、『WiFiがあれば、まず仕事探しなんです』とおっしゃっていました。働くことで何とかしようと考えるあまり、支援につながるところまで手が回らず、『自分が利用できる制度がある』ということを知る機会がない方も多いです。行政だけではなく私たちも頑張らなくては、と思います」(北畠さん)

 スマホを手に握りしめて住居喪失しそうな人々に情報を届ける手段は、増やす必要がありそうだ。

情報と人との間にある
「ミッシング・リンク」の数々

 元エンジニアである筆者は、コンビニやファストフードでWiFiを利用する際、必ず経由するウェブページに支援情報への誘導があっても良いのではないかと思う。コンビニのイートインコーナーには、無料のバイト情報誌とともにカードローンの案内が置かれていたりする。そこに公的支援情報もあって、悪いわけはないだろう。

「ネットカフェも重要ですね。支援情報のチラシを置いたり貼ったりしていただくだけでも、かなり違いそうです」(北畠さん)

 見込み客が確実に滞在する場所で、確実に見られそうな場所は、広告やマーケティングの視点からも重要だ。しかしそこは、私企業の営利のための場でもある。図書館やコミュニティセンターのような公共施設はどうだろうか。

「もともと路上生活をしている方だと、図書館を昼間の居場所の1つとしている方は多いです。でも今、新型コロナの影響で、図書館の開館時間や利用スタイルが変わっています。住居喪失しそうな方にとって、図書館は選択肢にならない可能性があります」(北畠さん)

 しかも役所の閉庁期間、コミュニティセンターを含めて、公共施設は閉鎖される。